〝働きやすさを、チームみんなで創ってきた〟
この5年間で有休取得率が30%から90%にまで向上!
産休復帰率も100%が見えてきた!
その背景と園内の取り組みとは?

千葉県船橋市内にて「こども園」を2園、「保育園」を1園運営されている社会福祉法人 のびのびランドさん。

(写真左 菅野園長先生 右 高橋園長先生)

高橋園長「5年くらい前でしょうか…。
あの頃は、有給は取ってはいけないという雰囲気があったのは事実だと思いますね。」

菅野園長「確かに、そのような雰囲気はあったと思います。
どうしても、周りが忙しそうにしていると『なんとなく有休は取り辛い』という空気感はありました。」

高橋園長「時代が変わり、今は有休取得は普通になってきていますよね。
ただ、そうじゃない保育園さんも、
全国にはまだまだ多いと思います。」

菅野園長「私たちのグループも、
以前の有給取得率は30%前後でしたよね。」

高橋園長「そうですね、そのくらいだったと思います。当時の保育業界は、持ち帰り仕事や残業も当たり前だったような時代もありました。
そんな中で有給を取るのってやっぱりハードルが高かったですよね。」

有給取得率が30%から90%まで
向上した理由は?

菅野園長ノンコンタクトタイムへの着目は大きかったと思います。
子どもと離れて事務仕事をする事って、保育士さんはあまり無いんですよ。
そして、子どもから離れないと、ちゃんと事務仕事は出来ないんです。
結果、残業に繋がっていく…。
このノンコンタクトタイムを取れない保育士さんは多いと思います。
ここを増やす取り組みに、注力したわけです」
※ノンコンタクトタイム
保育士や幼稚園教諭の方が、勤務時間内に子どもたちと関わらない時間のこと。

高橋園長「2018年全国私立保育園連盟の調査アンケートによると、”直接子どもに関わらない時間(ノンコンタクトタイム)は1日の中でどのくらいありますか?”」という質問に対して、39.2%の保育士さんが0分と回答しています。
20分未満しか取れないと答えた保育士さんは21.3%。
つまり6割以上の保育士さんは0〜20分しかノンコンタクトタイムが無いわけです」

菅野園長「ほとんど1日中、子どもの側を離れられないってことですよね」

子どもと直接関わらない時間帯が増えれば、
事務仕事がその分進められる。

高橋園長「だからこそ私たちは、”子どもと関わらない時間”を保育士さんに作っていこうと、取り組みを始めたわけです。
それが5年前くらいかな。」

菅野園長「結構色々、大変でした。なんせやった事の無い取り組みでしたから。
でも、職場の働きやすさを考えた時に、絶対必要なことだなって思ったんです。」

高橋園長「有給取得率が全てではありませんが、
働きやすい職場にするのは大切な事ですからね…。」

工夫した点は?

菅野園長「例えば、子ども達のお昼寝の時間帯です。
普通、職員は子どもの見守りをしていますので、事務仕事はできません。
ここにパートさんを一人雇って、配置しました。」

高橋園長「パートさんが入る事で、担当職員は部屋を抜けることが出来ます。
その間は事務仕事の時間に当てられるわけです。」

菅野園長「あとは、16時以降の「時間外保育」の時間帯、通常の多くの園は担任の先生は17時位まで自分のクラスにいる園が多いと思います。
ただ、当園では16時から非常勤の保育士さんにそのクラスに入ってもらうんです」

16時から非常勤の先生を配置する事で
何が起きる?

高橋園長「これにより、16時〜17時の間、担任の先生は掃除や事務仕事に入れるようになりました。
つまり1時間早く、そういった作業にあたれることになりますよね」

菅野園長「最後のこの1時間は結構大きいと思います。
ここでやっておきたいことを、エイッってやっておけるわけですからね」

人件費を余分にかけてでも、
やる価値がある…

高橋園長「もちろん、非常勤の方を1時間早く入れる為、16時〜17時の間の人件費がざっくりと「2倍」にはなります。
でも、風土を変えていく事はとても大切だと思い、実行しました」

菅野園長「このように、のびのびランドグループでは、残業を減らす取り組みを頑張ってきたんです。
現在の残業時間は月平均で1時間未満(グループ保育士約30名のデータ)ですね。」

「働きやすい!」の声。
職場に生まれた雰囲気の変化とは?

高橋園長「これにより、職員も「有給とって良さそうだな」「産休取って良さそうだな」と思ってもらえる風土が段々と出来ていきました」

菅野園長「冒頭でもお話しましたが、やっぱり周りの先生達が残業に追われている日々ですと、なかなか有給とかって申請し辛いですよね。
残業削減の取り組みが浸透していったことで、職員の中でも『これなら有給とっていいかも』という雰囲気が生まれていきました」

菅野園長「有給取得率って、この業界ですと平均が30-45%くらいですよね。
そういう意味でも、のびのびグループは業界の中でも高い有給取得率だと思います。今では約90%まで向上しましたから…。」

ほぼ100%の職員が利用!
「時間休」がとても人気に。

高橋園長「時間休(時間有給)も人気です。
1時間だけ有給があれば良いなー、というシーンは結構多いんですよね、保育士って。」

菅野園長「時間休を活用する職員は全体のほぼ100%と言っても良いくらい、みんな使います(笑)」

どんなシーンでの利用が多いのか?

高橋園長「学校の「旗出し当番」「登校見守り」があるところでは、年一回くらいは当番がきます。
あの、横断歩道とかで登校の子ども達を見守るアレです。順番が回ってくると、やっぱり断りにくいんです(笑)」

菅野園長「そこで時間休の出番です。朝の7時半〜8時過ぎまでとか。
ここで時間休1時間を使って、その後に園に行く…と」

高橋園長「病院に行きたい時にも1時間早退して行くのはよくあるパターンですよね。
少し体調が気になる…でも休むまでもない…みたいに思う時。
例えばものもらいとか。そうしたら、16時から時間休を取得して行けば病院の診療に間に合います。

菅野園長「朝起きたら目が真っ赤で、うつさないかどうか病院で診察して確認してきます!なんていう職員もいます。
朝の時間休も、便利みたいですよ。」

1日有給の時はみんな何してる?

菅野園長「みなさん、リフレッシュに使われる人が多そうですね。
ちょっとした事ができるようになりますよね、お休みが増えると」

高橋園長「お母さん保育士ですと、銀行に行けるとか、学校の行事(授業参観、ボランティア活動、PTA活動)に参加できる、とか。
それ以外だと学校のクラブ活動で親として参加する機会が作れます。
あとは、子どもが風邪ひいた時に1日休みを取る、とか色々使われていますね」

のびのびランドが有給取得率のUPに
注力した理由とは?

菅野園長「お母さんの目線で戦ってきたわけです。
自分が若い頃は、自分の子どもの子育てをしながら保育士をやってきた経験がありますが、残業が多く有給が取れないとなると結構大変でしたよ、そりゃ。
今の職員の子たちには、同じような苦労をさせたくない、という感覚が強くあってですね」

高橋園長「仕事ってやっぱり楽なことばかりじゃ無いです。大変なことも多い。
そんな中で、頑張っている人達が働きやすい環境を整備するというのは凄く大切だと思っています。
忙しい日々の中でも、有給などで一時現場から離れる…というのは良いリフレッシュにもなると思いますね。
明日からまた頑張ろう、って。」

職場の雰囲気が変わり、
産休復帰率も大きく向上!

髙橋めぐみ先生/ 髙橋花恋ちゃん
父 鈴木啓太郎 先生/母 千里 先生/ 娘 奏音(なの)ちゃん

菅野園長「お母さん保育士って昔はあまりいなかったですよ、7-8年前は。
うちのグループでも、結婚を機に辞めるのが当たり前だったイメージですね。」

高橋園長「今では、結婚を機に辞めるケースは当園ではほぼないですね。
結婚後も仕事をしたいっていう方も増えてきています。
そういった方々が仕事に復帰をして、お母さん保育士として働いている姿を見て、若い子達も安心しているというのはあると思います。」

菅野園長「2020年のデータですと、グループ内で4名の保育士が出産をしています。
そのうち3名は既に職場復帰をしており、もう1名も復帰予定は確定しています。」

高橋園長2020年の出産経験者は、復帰率100%になる見通しですね。」

保育士の皆さんへ一言

菅野園長「保育士って、とっても良い仕事です。
大変なことが8割でも、子供から得られる発見とか喜びって、すごい沢山ありすぎて。
だからこそ、保育士という仕事を続けやすいようにするのは、私たちの仕事だなって思うんです。
楽しく働いて欲しいですからね、職員さん達には。」

高橋園長「子どもと関わっていると思いがけない発見が多いですよね。新鮮な発見が多い。
あと、自分も若々しくいられる気がします(笑)子ども達と関わることでもらえるパワーって大きくて。
なので、菅野先生と同意見です。
保育士という素晴らしい仕事を、楽しんで欲しいなって思います」

菅野園長「保育園って、人に感動と喜びを与える仕事だと思うんです。
保護者にも、子どもにも、職員同士にも。
自分のことしか考えないっていう人も多い世の中ではあるんですが、そんな中で自分たちの仕事は、すごく大義があるんだって思うんです」

高橋園長「それを誇りにしていきたいですよね、これからも。」

のびのびランドでは、一緒に子どもの成長を見守る保育士さんを募集中です。
一度ぜひ、園見学にお気軽にいらしてください♪